服部香穂里

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プロフィール
映画界の末端で、浮草のように漂うております……。
最新レビュー
月と雷のポスター
月と雷
投稿: 2017年09月13日
8

家族の予感

 一筋縄ではいかぬ女性の業をもあぶり出す『八日目の蝉』(11)『紙の月』(14)など映画化作品が相次ぐ角田光代と、『blue』(03)『海を感じる時』(14)など、女性の生理を真摯に見つめる秀作を世に送り出す安藤尋監督とのコラボレーションが実現した...

わたしたちのポスター
わたしたち
投稿: 2017年08月24日
8

いじめられっ子、世にはばたく

 鬼ごっこ、缶けり、花いちもんめ……子どもの遊びは、とかく底意地が悪い。劇中で象徴的に描かれるドッジボールも、狭いコート内で、生きるか死ぬかの”仁義なき戦い”が繰り広げられる。人生のえげつない前座を経て、大人の世界を垣間見る子どもたちは、社...

散歩する侵略者のポスター
散歩する侵略者
投稿: 2017年08月20日
9

トウキョウ流れ者

 ここではないどこかを思い描きつつ、あてどなくさすらう人びと。彼らの心の空洞を、得体のしれない何かが侵食していくが、その様は、風向きが変わるがごとく、はっきりと目には見えない。そんなベクトルの方向や強弱の微妙な差異が、ホラーからラブスト...

パパの詫び状

 密室劇×ゾンビもの。超悪趣味なジャンル映画の掛け合わせにより、これまでにないエンターテインメント大作が誕生した。  ”!!!”な邦題からは抜け落ちているが、舞台となるのは、ソウルからプサンに向かう高速鉄道。愛娘の誕生日に予期せぬ苦難に見...

パターソンのポスター
パターソン
投稿: 2017年08月01日
9

時間よ止まれ

 映画から”詩”が失われつつある今、還暦過ぎても飄々と我が道を行き、ありふれた人たちの営みのかけがえのない瞬間を、いとおしむように掬いとり続けるジム・ジャームッシュの存在は、頼もしい希望である。  そんな彼の最強の武器のカメラをペンに持...

恥の美学

 戦争は、心身にとって大切なものを狂わせ、破壊し、奪い去る。朝鮮が日本の支配下に置かれる中で幾篇もの詩をしたためるも、第二次大戦終戦を迎えられぬまま、27歳で夭折した尹東柱(ユン・ドンジュ)の短くも濃密な青春は、不穏な空気漂う現代において...

ありがとう、トニ・エルドマンのポスター
ありがとう、トニ・エルドマン
投稿: 2017年06月13日
9

失笑、爆笑、やがて感涙

 母と娘、父と息子、母と息子。それぞれ色々あるだろうが、父と娘というのも、なかなか厄介な間柄である。生まれて最初に接する異性であり、そのイメージ形成にも少なからぬ影響を及ぼすため、好意と嫌悪のアップダウンも甚だしい。親子の仲を完全に超越...

心に吹く風のポスター
心に吹く風
投稿: 2017年06月07日
8

されど、初恋

 「冬のソナタ」(02)などの”四季シリーズ”で、空前の韓流ブームを巻き起こしたTV界のヒットメイカーのユン・ソクホが、日本映画で劇場用監督デビューを果たす、ユニークな成り立ちの注目作である。  撮影のために北海道の富良野を訪ねたビデオアー...

セールスマンのポスター
セールスマン
投稿: 2017年05月26日
9

第三の女

 新作を渇望しつつも、イランの気鋭監督アスガー・ファルハディの作品と対峙するには、相当の覚悟が要る。登場人物たちが期せず陥ることになる後戻りできない袋小路へと、観客までもが、凄まじい吸引力で引きずり込まれるからである。  テヘランでの...

ダメ犬の雄叫び

 非情な殺人鬼から狡猾な詐欺師まで変幻自在にこなし、怪優としてますます磨きのかかるハ・ジョンウが、ごく平凡な”ええ奴”を好演するという意味でも新鮮な快作である。  前作『最後まで行く』(14)でも、とことんツキに見放された男の顛末を、ブラ...

メッセージのポスター
メッセージ
投稿: 2017年05月03日
9

“いま”を生きる

 未知なるものを恐れ、排除し、攻撃する。何かと物騒で、不穏な気配が漂う昨今、SFという設定を借りて、ヒトを人間たらしめている寛容の心を取り戻す意義を、静かに、かつ、力強く謳い上げる傑作だ。  ある日、地球各地に、卵型の飛行物体が出現する。...

ぼくと魔法の言葉たちのポスター
ぼくと魔法の言葉たち
投稿: 2017年04月22日
8

ハッピーエンドの先に

 驚異の実話の映画化が相次いでいる。その多くが、実在の人物への配慮もあってか、事実をなぞるのに終始し、それ以上の感慨を得られないのに対し、突然悲劇的な困難に直面するも、それを奇跡的に乗り越えたある家族の軌跡を、観客にも追体験できるような...

無限の住人のポスター
無限の住人
投稿: 2017年04月13日
7

笑って殺して

 そもそもが、ふざけた設定ではある。  主人公の万次は、亡き妹に生き写しの凛(杉咲花)の復讐をサポートする、死ねない用心棒……って、なんじゃ、そりゃ。敵か味方か容易には判別できぬ、腕におぼえのある剣客たちが、次々と彼らの前に現れるが、こ...

暗黒女子のポスター
暗黒女子
投稿: 2017年03月14日
7

黒い六人の女

 何かと世間を騒がせている清水富美加の、最初にして最後の主演作であり、ようやくめぐり合えた代表作という、皮肉な因縁にぐるぐる巻きにされた話題の1本である。  とあるお嬢様学校で、全校生徒の羨望の的だった女子高生が、謎の死を遂げる。彼女が...

レゴバットマン ザ・ムービーのポスター
レゴバットマン ザ・ムービー
投稿: 2017年03月04日
9

バディ・ジョーカー

 近年、やたらと深刻化、哲学的なテーマにまで踏み込み、ティム・バートンがメガホンをとっていた時期のおかしみのようなものが消え去りつつあった『バットマン』シリーズ。そんな中、超変化球とはいえ、バットマンにまつわる光と影を、遊び心やサービス...

一週間フレンズ。のポスター
一週間フレンズ。
投稿: 2017年01月21日
7

友だちのうた

記憶障害は、実にドラマティックである。 現実的には深刻極まりない問題だが、なかなかドラマが生まれにくい今のご時世、フィクションの世界のモチーフには、好都合。映画も同様で、コメディ芝居に長けた2人が、真摯に純愛を体現するギャップも好ましい...

この世界の片隅にのポスター
この世界の片隅に
投稿: 2016年11月26日
9

右手の想い出

 想い出は、美化される。  つらい過去にはフタをして、よかったことに脚色を加え、折にふれて取り出してみる。たとえ今、しんどい状況に置かれていても、そんな想い出を励みに、踏ん張れたりもする。  本作は、太平洋戦争の勃発、戦況の激化、そ...

ガール・オン・ザ・トレインのポスター
ガール・オン・ザ・トレイン
投稿: 2016年11月13日
7

レイチェルの離婚

 エミリー・ブラントは、いかなる役柄であれ、そつなくこなす実力派ではあるが、近作『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)、『ボーダーライン』(15)などのように、男勝りのタフさの裏に、か弱い脆さを秘めた役柄を演じると、とりわけ異彩を放つ...

何者のポスター
何者
投稿: 2016年10月25日
8

ひとでなしの恋

 夏の暑さの反動か、ただの偶然なのかは分からないが、『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』、『永い言い訳』、『誰のせいでもない』、TVドラマ「夏目漱石の妻」など邦洋問わず、作家を題材に、すこぶる魅惑的な作品が続く。小説家なる人種=”ひと...

花芯のポスター
花芯
投稿: 2016年08月06日
8

女が階段を下る時

 映画にとって、“共感”ばかりを求めてみても、面白くない。  原作は、文壇デビュー間もない瀬戸内寂聴が晴美時代に発表し、物議を醸した同名小説。同性同士の、友情と愛情との狭間で絶え間なく揺れ動く関係性の変化を、丹念に掬いとった『blue』(03...

レビューバランス
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茅野 布美恵

地方誌の編集者。映画は、ノンジャンルで鑑賞。基本的には、劇場で愉しむ主義です。その作品を観ないとわからないレビューになる傾向あり。情けない男が出てくる映画や、青春ものが好物。マイケルホリック(Michaelholic=マイケルホール心酔者)にして、パトリック(デンプシー)教徒。

完山 京洪のプロフィール画像

完山 京洪

監督/脚本/俳優/製作。Vesuvius LLC. Japan 代表。 監督作「シーソー seesaw」「救命士」「Make My Day」

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岸岡 卓志

孤高のイケメンチェイサー。映画に関する文章を書かせていただく等、地方都市から「映画」の素晴らしさを発信すべくがんばっています。