映画『ドクター・ストレンジ』レビュー

ベネ様、降臨!

マーヴェルのキャスティング慧眼は今回もドンピシャだ。
原作キャラへのフィットはもちろんだが、それ以上に“映画スター”というものへの愛が感じられて気持ちいい。高慢ちきな天才キャラはもはやベネ様(註:ベネディクト・カンバーバッチ)の十八番。そんな彼が交通事故によって医師の道を断たれ、魔術師として再起していくまでをタップリ時間をかけて描いている。『アイアンマン』と構成が丸っきり同じ事に不安を覚えるかも知れないが、きっとダウ兄との共演も大成功すると信じようじゃないか。ベネ様は魔法詠唱動作もヒーローのお約束マント姿もバッチリ決まっているぞ。

そんな彼の師匠役にティルダ・スウィントン、敵役にはマッツ・ミケルセンという欧州異能俳優競演のキャスティングにもマーヴェルの映画ファンらしいこだわりが感じられる。いつかは共演するだろうと思っていたが、まさかマーヴェルで実現するとは思ってもみなかった。特にティルダ様は国籍も年齢も判然としない不思議キャラで、人外役ならお手の物の彼女にはうってつけだ。ここにヒロイン役でオールアラウンドな好感度の高さを持つレイチェル・マクアダムスを配したマーヴェルのバランス感覚の良さといったら!

大都市で繰り広げられる魔法バトルが見どころだ。『インセプション』よろしく騙し絵のように捻じれる大都市を上へ下へと飛び交うトリッキーな3Dアクションはパワーインフレ気味のMCUに新機軸を持ち込んでいる。強大過ぎて良くわかんないラスボスに思いもよらない方法で勝利するクライマックスまで“魔法”というガジェットをあの手この手で応用している。

続くアベンジャーズ第3弾『インフィニティ・ウォー』でいよいよ合流するドクター・ストレンジこそ、これまた強大過ぎる敵サノス打倒のキーマンになるのでは?何よりベネ様の加わったオールスターキャストがどんなアンサンブルで魅せてくれるのか、大いに楽しみだ

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ドクター・ストレンジのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」にハマり、ジュリー・デルピーに恋をする。日記代わりにB5ノートに書き始めた手書きの映画レビューもすでに16年目。上手に書けたらアップさせて下さい。

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