映画『アサシン クリード』レビュー

やはりゲームの域を出ない・・・。

 人間の自由意思をコントロールできる“エデンの果実”。それを手に入れ世界を手中に収めようとするテンプル騎士団と、人類の尊厳を守るために立ち向かうアサシン教団。中世より続く壮大な戦いを描いた、大人気ゲームの映画化である。

 シェイクスピアの戯曲「マクベス」を重厚な傑作に仕立てたジャスティン・カーゼルは、本作でもその才能を遺憾なく発揮。砂塵にまみれたルネサンス期のスペインはドラマチックで、強烈な太陽光で登場人物たちのシルエットが浮かび上がる影を意識した映像は、娯楽映画としては観辛さがあるのも事実だが、雰囲気作りは一級である。

 そして全編に横たわる死の匂い。中世のスペインはまだまだ野蛮な時代。見せしめの火あぶりに血の粛清など、暴力はそこかしこに溢れている。幾度となく訪れる人命を蹂躙した場面は、人類の争いを止めるためにエデンの果実を求める本作のテーマに説得力を与えている。

 ただ、ここまで言っておきながら本作はその構造的な欠陥のために大変退屈な作品に仕上がっている。主人公はアニムスという装置を通して過去の先祖に意識を投影するが、てっきり「アバター」のように自らの意思で操作するのかと思いきや、何と単に過去を追体験しているだけという・・・。要は超リアルなVRを見せられているようなもの。映像的な面白さを考慮して体験中にも体の動きがつけられているが、画的に帳尻を合わせただけで結局は寝たきりも同然。おまけにVR場面を除けば映画はほぼ密室で完結するため、とんでもなく窮屈。何より深淵なテーマを掲げながら暴力で何もかも解決してしまったり、終わってみれば「なんじゃそりゃ」という感想しか出てこない。

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アサシン クリードのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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