映画『トリプルX 再起動』レビュー

50手前のヴィンにスケボーはキツい

 1作目の魅力と言えば、アクションスターとして頭角を現し始めたヴィン・ディーゼルのフレッシュさだ。そんな彼も気が付けば50代目前。一般人の感覚では完全にオジサマ世代である。

 もちろん同年代に比べればビジュアルは若々しいし、盛り上がった筋肉も凄まじい。だけど寄る年波に勝てないのは正直なところ。若干丸みを帯びた体とたるみが出始めた顔に、若者文化のエクストリームスポーツはフィットし辛くなった。

 本作では冒頭にダイビングからの岩肌スキー、そして坂を猛スピードで下っていくスケボーアクションを披露するが、やはり今のヴィンでは違和感満載だ。走る場面なんかでも体の重さが隠し切れないし、何よりタトゥーびっしりの体で2枚目スポーツ選手のようなモテ男を演じるあたり、若作りに必死な兄ちゃんに見えて痛々しさすら感じさせる。

 元々が既存のスパイアクションにパロディをかましたB級映画だから、細部の粗に突っ込むのは野暮なのだろう。それでも動きの鈍そうなヴィンが高架橋からトラックにダイブし、対向車を前宙でクルリと交わしたり、まるでキャプテン・アメリカのような動きを披露するのには苦笑してしまった。ここまでくるとスタントマンとCGによる産物であり、ヴィン本来の肉体の魅力は皆無だ。後半はエクストリームスポーツの味わいも消え失せてただのアクション映画になるし、何故かチームワークを強調しだして「ワイスピ」との区別がつかなくなったり、まともにスクリーンに向き合うのが辛くなってくる。再起動なんてせずに、ここはおとなしくシリーズをシャットダウンするのが賢明な判断だろう。

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トリプルX 再起動のポスター
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奥 直人のプロフィール画像

奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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