映画『ドクター・ストレンジ』レビュー

アベンジャーズの戦いは、ついに四次元へ

 MCUに新たなヒーローが加わる。その名はドクター・ストレンジ。彼は魔法使いだ。強大な力を持ったヒーローが街を破壊しながら戦うのがアメコミ映画お決まりの見せ場になった昨今、物理的な力に頼らないアクションで差別化を図るあたりがいかにも商売上手なマーベルらしいチョイスだ。

 とにかく魔法を使ったアクションが凄まじい。天地がひっくり返り、高層建築が歪み、足下は幾何学的な模様を描きながら変化していく。世界はまるで絡み合った綾取りのように入り乱れ、四次元方向へと膨らんでいくそのサイケデリックな映像から目が離せない。

 全てが手作業で一つひとつ描かれているわけではなく、映像制作にあたっては自動シミュレーションソフトが活躍しているのだろう。技術的にはさほど目新しくないが、これだけ複雑な情報量を持つ映像を事前にデザインし、そのイメージを各スタッフへ共有させるノウハウはとてもじゃないが想像がつかない。昨年「ジャングル・ブック」の本物と見分けがつかない動植物の表現に舌を巻いたが、それとはまた違ったベクトルの驚きと楽しさだ。

 今後「アベンジャーズ」入りしてMCUの中核を担うことが確定しているドクター・ストレンジ。彼の登場はこの世界に魔法だけでなく、多次元宇宙やパラレルワールドの概念すら持ち込むことになる。2018年と2019年に公開が予定されている「アベンジャーズ」最新作では、物質世界の常識を超えた能力を操るサノスが悪役として登場する予定で、その対決を見越してのデビューだろう。さらなる楽しみはまたもや次回以降への持ち越しとなってしまったが、怒涛の高次元アクションつるべ打ちはヒーロー誕生物語としては十分過ぎるほどの満腹感である。

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ドクター・ストレンジのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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アカデミー賞2017

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