映画『沈黙 サイレンス』レビュー

フェレイラ神父役、スコセッシ版はリーアム・ニーソン、篠田版は丹波哲郎の理由

篠田正浩版『沈黙』と比較すると・・・


スコセッシ版『沈黙』のフェレイラはリーアム・ニーソン、
篠田版『沈黙』のフェレイラは何故か丹波哲郎(苦笑)。
両方を見ると、何故丹波哲郎かの意味がよくわかる。

どういうことか? 
なぜタイトルが<沈黙>なのか、
その沈黙がフェレイラに与えた影響、
<転ぶ><転ばない>のそれぞれの葛藤、
司祭が踏むということ、

などが丹波哲郎の方が日本語だけあって理解しやすい。
リーアムにいさんもほぼ同じセリフなんだが、沈黙を読み解く芝居まで昇華できていない。
(俺はもう警官をやめたんだ・・・あるいはジェダイがフォースを棄てた感で
押し切ろうとするのも悪くは無いが、これは主題!
言葉の問題というよりも主に芝居の問題またはそれをOKにしたスコセッシの問題。)

ここのフラット感が、踏み絵を簡単にしてしまう日本人や
反対に踏み絵をしない日本人の深い葛藤の縁取りもぼやけさせてしまう・・・。
とはいえ、塚本さんと、窪塚くんのがんばりで十分に寄り添って観れるし、
スコセッシにYou talkin' to me?と言われたら、ハイこれ以上は欲しがりません・・と、
ひざまずいて、人よりも大事な国、自然よりも大事な共同体、
人間の命よりも大事な宗教なんて存在しないというテーマを
作品全体で表現されてますので十分に楽しめました~ということにしておこう。
冒頭とラストは華厳寺を思い出す。

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沈黙 サイレンスのポスター
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小川 勝広のプロフィール画像

小川 勝広

『ブタがいた教室』企画・プロデューサー
『乱暴と待機』プロデューサー
京都造形芸術大学・非常勤講師
東北芸術工科大学・特別講師

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