映画『スター・トレック BEYOND』レビュー

飛び出そう。最後のフロンティア、宇宙へ!

 2009年よりスタートした新生「スター・トレック」の魅力と言えば、熱い青春ドラマだ。勇敢だけど向こう見ずで感情的なカークと、時にはぶつかりつつも信頼関係で結ばれたスポック、そして各々の技能を生かしてチームプレーに貢献するクルーたち。肉付けされたキャラクターたちが宇宙の彼方で葛藤する様に手に汗握り、涙してきた。

 そんなドラマ要素もついに極まった感あり。「宇宙、そこは最後のフロンティア」と銘打ってきたシリーズらしく、本作では宇宙への旅立ちにこれ以上ない回答が用意されている。無限に広がり未知の領域に溢れた宇宙は、まさに可能性に満ちた人生そのもの。あまりにも広くて暗いから人は迷いがちになるけど、闇の先にある希望を信じて進まなければならない。人生における試練の比喩でもある宇宙の困難に挑んできたカークたちの冒険が、彼ら自身の成長にダイレクトに繋がる感覚はまさに宇宙規模の感動だ。

 本作を語る上で忘れてはならないのは、2人の俳優の死だ。1人はかつてのテレビシリーズでスポック役を演じ、昨年の2月に世を去ったレナード・ニモイ。撮影前の訃報ということで彼の死は劇中のストーリーにも反映され、旧スポックから新スポックへとバトンが渡される印象的な展開が用意されている。

 そしてもう一人は、今年の6月にわずか27歳の若さで世を去ったアントン・イェルチンだ。彼の場合は公開直前での死去だったためストーリーに直接的な影響は与えなかったが、これまで以上に出番が多いこともあってどこか不思議なものを感じる。何よりカークが冒険の犠牲者に言及するシーンではハッとさせられた。現実とリンクする時、彼らが駆けた宇宙の思い出は永遠に胸に刻まれる。

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スター・トレック BEYONDのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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