映画『ジャングル・ブック』レビュー

ジョン・ファヴロー、プロフェッショナルの流儀

さて「シェフ」でガス抜きしたジョン・ファヴローの新しい仕事はディズニーアニメの実写映画化というまたしてもビッグプロジェクトだ。オリジナル通り、動物たちが歌って踊るミュージカル調だがあくまでリアリズムで描き、動物たちにアニメ的表情演技をさせない演出がユニークだ。しかも、主役のモーグリ少年と動物たちを大自然の中でコントロールするリスクを回避するためか、モーグリ役ニール・セディ以外は風景も含めて全てCGにするという前例のない手段を用いている(にも関わらず、3D効果は狙っていないのか、皆無だ)。

まさに職人らしい手堅い仕事っぷりだが、あくまで俳優の魅力、キャストアンサンブルに比重を置くのがファヴローである。魔術的な力を持った大蛇スカーレット・ヨハンソンがドルビーサラウンドで悩ましく囁きかけるシーンは悶絶モノ(エンドロールでもアンニュイに自身のキャラクターのテーマソングを歌い、ファヴローへの信頼の高さが伺える)。ハチミツ欲しさにモーグリを騙すぐうたら熊のビル・マーレイはまさに適役で、そんな彼がモーグリを守るためにベンガルトラ(イドリス・エルバ!)と死闘を繰り広げるクライマックスは本人の姿に脳内補完するとめちゃくちゃ泣けるぞ!

大人が観るにはちょっと物足りないが、ファミリーで楽しめる間口の広さは全米で特大ヒットにつながった。職人ファヴローへの信頼度はますます高まるだろう。

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ジャングル・ブックのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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