映画『AMY エイミー』レビュー

長編ドキュメンタリーのあり方とは?

2011年に急逝したソウル歌手エイミー・ワインハウスの半生を追ったアカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作。タブロイド紙による“酒とドラッグに溺れた破天荒アーティスト”というイメージが強かったが、素顔の本人は音楽好きのチャーミングな、いたってフツーの娘であり、自身に起きた恋愛ごとを歌うような繊細な人物であった事がわかる。だからこそ、出会った男が悪かった。浮気性で自意識の高い男に振り回され、酒とドラッグを覚えさせられたエイミーは功名心にはやる父に退路も断たれ、マスコミの餌になってしまったのだ。

ファンでない人には伝記モノとしての機能を果たしているが、作り手の考察はなく、これだけではドキュメンタリーとしての洞察は浅いと言わざるを得ないだろう。果たしてエイミー・ワインハウスとは何者だったのか?と位置付けるような大胆さがあっても良いのではないか。“イタいセレブ”という叩き甲斐のあるネタとして慰み物にしたマスメディアと一線を画さなくては長編ドキュメンタリーとしての意義はない。アカデミー長編ドキュメンタリー部門は時折、いまいちな選択をするのである。

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AMY エイミーのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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