映画『インデペンデンス・デイ リサージェンス』レビュー

トランプ時代のSF映画

夏だ!映画だ!宇宙人侵略だ!天災と続編映画は忘れた頃にやってくる。1996年のメガヒット作「インデペンデンス・デイ」20年ぶりの続編だ。
96年という時代のせいか、前作は今見ると非常に呑気なアメリカ万歳映画ではるが、嫌いになれない魅力があった。宇宙人による圧倒的な破壊のカタルシス、大統領から市井まで入り乱れたパニック映画としてのアンサンブル、そして何より当時、新たな代表作を得る事の出来なかったジェフ・ゴールドブラムを復活させ、ウィル・スミスを大スターへと押し上げた功績は大きい。映画ファンが一番に押す映画ではないが、多くの人々に好かれた映画だった。

残念ながらこの続編はこれだけのブランクを得ながら何一つ十分な企画開発が行われておらず、魅力を受け継ぐ事に失敗している。賢明なウィルはアメコミ映画に乗り換えてしまったため、実質上の主役不在。ゴールドブラムはこの20年でウェス・アンダーソン組に入ってしまったので、大作SF映画にはオフビート過ぎる風情だ。カリスマ的な大統領役で人気を博したビル・プルマンはその後、デヴィッド・リンチの怪作「ロスト・ハイウェイ」に出演した事からも分かる通り、元来このジャンルに向かない人である。

となれば新進スターに頑張ってもらいたいところだが、リアム・ヘムズース、マイカ・モンローらは説明セリフだらけの憐れな脚本によってペラッペラの紙みたいな人物を演らされている。

それもこれも完全にピークを過ぎたローランド・エメリッヒ監督の責任であり、タメのないスペクタクル描写は少しもスリルとサスペンスを生み出さないという異常事態に発展している。こんなハラハラドキドキしないサマームービーありかよ!

前作の戦いを経た事によって世界から紛争がなくなったという基本設定は9.11以後の今、意義深いが、やたらと好戦的な幕切れと言い“トランプ時代”の娯楽作だなぁと思う。

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インデペンデンス・デイ リサージェンスのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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