映画『スノーホワイト 氷の王国』レビュー

セロン様の魔女っぷりも本作で見納め?

 前作を手掛けたルパート・サンダース監督とクリステン・スチュワートは不倫騒動を受け降板、代わりに視覚効果を担当していた新人監督が起用された本作。さすがに製作費1億ドルを越える超大作への抜擢は重圧だったのか、豪華キャストのバックアップも空しく散々な仕上がりになっている。

 思い返せば前作も物語のペース配分は歪だし、退屈なテンポの中では洗練された映像も活かし切れなかった感はある。しかしそれらの欠点は全て面白い映画を作ろうとした挑戦の痕跡であり、流行のダークファンタジーを創造しようとする意気込みは好意的に受け止められた。

 前作の過去とその後を劇中で上手く繋げて完結したかに思えた物語に再び息を吹き込んではいるものの、内容は完全に破綻している。死んだキャラクターが復活するのは都合が良過ぎるというか、ファンタジーであることに胡坐をかき過ぎだし、「愛」をテーマにした物語も一貫性の無い言動で説得力は皆無。傷ついた女王が人里離れた場所に氷の城を築いて・・・なんて件は完全にア○雪ですがな。前作とは打って変わって商業的なご都合主義と計算に溢れ、嫌らしさを覚えてしまうほど。

 オープニング場面でタイトルの前に「The Snow White Chronicles(スノーホワイトの年代記)」との表示があるように、映画会社は本作を壮大な物語の一部として位置づけている。しかし北米での興行収入は前作の3分の1以下という厳しいもので、さらなる続編は絶望的となっている。永遠に生き続け世界を従えたいという魔女の野望もこれまでか。

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スノーホワイト 氷の王国のポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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