映画『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』レビュー

アベンジャーズ最大の敵は・・・。

 世間の高い期待とは裏腹に、僕は「シビル・ウォー」に一抹の不安を抱いていた。「ウィンター・ソルジャー」の大成功に大きく貢献したのは、間違いなくCG全盛のこの時代に(しかもアメコミ映画にもかかわらず)あえて生身の肉体に着目したハイスピードな肉弾戦だ。ならばアイアンマンやスパイダーマンが参戦する今作はCGの使用が増えることが予想されるため、キャップの持ち味のアクションが薄まってしまうのでは?と心配していた。おまけに豪華なキャラクター布陣は「キャプテン・アメリカ」第3弾というよりも事実上の「アベンジャーズ2.5」としての色合いが強く、全体的に大味で、盛り沢山な内容が却ってとっ散らかってしまう恐れもあったはずだ。

 結論から言えば僕の完敗。これはすごい映画だ。まずはアクション。圧倒的なスピードで展開される戦闘は頑丈なヒーローたちのスーツの下に潜んだ肉体に走る痛みすら感じさせ、仲間同士が争う物語の悲劇性を際立たせる。登場人物が増えた件についてもむしろ攻撃のバリエーションが多様になり、ヒーローが集結する空港での見せ場ではあっと驚く爆笑必至の反則技も登場、サプライズが尽きない。

 物語に関してはやはりキャップのソロ映画ではなく「アベンジャーズ」の続きといった感じだが、群像劇としてみれば超一流だ。全てのキャラに見せ場が用意され、葛藤も十分に描かれている。打撃系・飛行系・超能力系のヒーローもちょうどバランス良く2手に分けられ、最後まで勝敗から目が離せない。

 もはや本家アベンジャーズなんて必要ないと思ってしまうほどの豪華な面子とハイクオリティを実現した本作。アベンジャーズ最大の敵は宇宙から飛来する異星人ではなく、他でもない自分自身だったというオチである。

8
シビル・ウォー キャプテン・アメリカのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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