映画『オデッセイ』レビュー

火星に取り残された者だけど、何か質問ある?

 地球から遠く離れ、食料や水も無ければ直に吸える空気も存在しない火星。そんな場所にたった一人取り残されてしまえば、きっとそれは考え得る最も絶望的な状況と言えるだろう。

 人っ子一人いない惑星で悲しみに明け暮れるか、地球に残してきた家族の写真を眺めながら思いを馳せるか、はたまた十字架を手に神に奇跡を祈るか。マット・デイモン演じる主人公はそんなアメリカ映画の“お約束”をことごとく踏み外す。植物学者である彼は生き延びる為に必要な食料や水、カロリーなどを徹底的に計算し、身の回りの物を活用して最も効率的な選択肢を論理的・科学的に見極めていく。その過程はきわめて冷静で、自らの死さえも確率的に計算可能な事象の一つでしかないような印象だ。

 それどころか同僚が残していった音楽の趣味に難癖をつけたり、ビデオログには皮肉やジョークを吐いたりと、とにかく明るいデイモンのキャラは何かにつけておしゃべりだ。「インターステラー」のTARS風に言うならユーモアレベルは常に100%。まるで2ちゃんねるの実況のように自分が置かれた絶望的な状況を笑い飛ばしてみせる。「火星に取り残された者だけど、何か質問ある?」こんなスレッドを見つけたら、飛びつかない方がおかしい。

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オデッセイのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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