映画『ランゴ』レビュー

演技をするってこんなにも楽しい!

 主人公のランゴは演劇好きのカメレオン。流れ着いた街で伝説のヒーローだとホラを吹いたのがきっかけで嘘を貫き通さざるを得なくなり、やがて演じていた偽者の自分と現実の自分とのギャップに苦悩を感じ、「本当の自分って一体・・・」と自問自答を始める。「自分探し」にも似たキャラ設定やストーリーはドラマを生み出す為に用意周到すぎるきらいもあるが、根底に流れる演技への純粋な興味はそんな不満をいとも簡単に忘れさせてくれる。

 ランゴ役のジョニー・デップは単に声を収録するだけでなく、彼自身の演技をパソコンに取り込んでCGキャラの動きに反映させているとのこと。擬人化されたカメレオンにどこまでジョニデ要素が残っているかは別にして、「演じること」を尊重した製作過程からは本編のストーリーやメッセージにも重なるメタ的な要素が読み取れる。

 文字通り命を吹き込まれたランゴがカメレオンらしく全身をストレッチさせて所狭しと駆け回る姿は、凄まじい躍動感に溢れている。西部劇をベースにしたクラシカルな世界観の中で展開されるドタバタ劇は愉快痛快の極み。まさに「水を得た魚」という形容がピッタリのランゴだが、そう言えばそもそもこの映画って渇き切った土地に水を取り戻す物語だったよねと思い出す。

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ランゴのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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