映画『コードネーム U.N.C.L.E.』レビュー

同じ監督作なら、S・ホームズより断然コチラ!

 映画界の定番ジャンル「バディもの」と言えば、主役2人が固い絆で結ばれた名コンビであることが多い。本作を手掛けたガイ・リッチー監督のヒット作「シャーロック・ホームズ」でも、ホームズとワトソンの相性抜群の掛け合いが作品全体のリズムを左右するほどに大きな存在感を放っていた。

 それに対して本作はどうだろう。1960年代を舞台に、核弾頭を手に入れ世界に混乱をもたらそうとするナチスの残党の計画を阻止するため、犬猿の仲であるアメリカとソ連の敏腕スパイがコンビを組んで捜査に当たる。この設定からも明らかなように、基本的に2人は敵同士。コンビネーションは最悪で、任務のやり方はもちろんのこと、挙句の果てには服の好みをめぐってまで口論が絶えない始末。

 でもなんだかんだで最後には固い絆が芽生えて名コンビになるんでしょ?と多くの人が予想するだろうが、本作の2人は結構焦らしがちだ。あれだけ喧嘩が絶えなかったのに、いざ片方が命の危機に陥ると苦い顔をしつつも救出し、絆を見せたかと思えば「ふんっ!」と顔を背ける間柄に逆戻り。こんな感じでなかなか煮え切らない態度の2人はまるで恋愛映画を観ているかのよう。そう、本作のヘンリー・カヴィルとアーミー・ハマーのコンビは、“友達以上恋人未満”ならぬ“他人以上相棒未満”といったところで、芸達者な2人が見せるツンツンした間柄が時には笑いに、時には緊張感に化けて映画のリズムを支配している。

 話は逸れたが、60年代のファッションや小道具に溢れた画面と、ムーディーな音楽に乗せてゆったりと語られる物語のテンポは、核戦争の裏でスパイが暗躍するという古典的なプロットにこの上ないロマンを与えている。映像や編集がガチャガチャし過ぎてろくすっぽに細部を楽しめなかった「シャーロック・ホームズ」よりも、コチラの方が断然好みだ。

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コードネーム U.N.C.L.E.のポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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