映画『プロメテウス』レビュー

感想駄文(単なる悪口)

この壮大なプロジェクトを率いる齢(よわい)100にも届くかという爺ちゃんがメーキャップバリバリのしわくちゃ顔で、だってワシ死にたくないんだもん(不老不死を手に入れたい)という呆れた動機をポツリと口にした瞬間、ひじからズッコケた。俺は今までこんな幼稚な死に損ないに付き合ってきたのか...というガッカリ感。
『アイコ十六歳』をはじめ『スタンド・バイ・ミー』『ミツバチのささやき』など珠玉の映画たちから「人は死を認めることで人生が始まる」という根源的な教えを叩き込まれてきたわが映画人生において、これはコタエた。このご老体はその皺顔でまだ人生が始まってもいないのか。そんなもんで本当にこの重厚な物語は転がっていくのだろうか...。そんな脱力感が、それまでの記憶とその後の顛末を追う集中力を奪い、恐らくは多少の感動をともなっていたであろう“お戯れの犠牲者たち”の奮闘への興味もすっかりそがれてしまった。

まあそれは置いといたとして、またしてもイザとなったら“決死の自己犠牲”ですか。ダークナイトにアベンジャーズ、今夏の超大作は判を押したようにこれだ。見たタイミングもありましょうが、いいかげん飽きました。そもそも「人類の起源」をテーマとした作品で扱われる死生観が、お迎えを待つばかりの老醜の悪あがきと切羽詰った漢(おとこ)たちの自棄糞な玉砕魂という二極では少し薄っぺらくないですか?妊娠三ヶ月超で堕胎するというのもじつに教育上よろしくない。エイリアンを身籠ったリプリーの崇高さを思い出そう。

『パラダイス』という名の続編が用意されているそうですがノオミ・ラパス演じる魅力に乏しいヒロインはシリーズを連ねたところでシガニー・ウィーバーの様にはなれそうもありませんし、ここは潔くミヒャエル・ファスベンダーでスピン・オフというビジネスをお勧めします。

ところで、シャーリーズ・セロンはぜんぜん悪くないよね?

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プロメテウスのポスター
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田中 啓一のプロフィール画像

田中 啓一Freak

リッジ門徒

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