映画『るろうに剣心』レビュー

緋村剣心役の佐藤健の殺陣だけで、入場料のもとは取れる!

剣道3段のなくなった父親が、映画『子連れ狼』やドラマ『唖侍鬼一法眼』の若山富三郎の、目にも止まらぬ殺陣が好きだった。この映画の緋村剣心役の佐藤健の殺陣を観て、思わず若山富三郎の殺陣を思い出したのは言うまでもない。彼の運動神経の良さとその様式美に舌を巻いた。すげぇカッコいい、と思った。アクション監督谷垣健治の功績も大だが、あの殺陣だけで入場料のもとは取れる!

日本映画伝統のチャンバラ時代劇を大ヒットさせ、復権させた大友啓史監督に快哉を叫びたい(ぼくの出身高校の5年後輩らしいので贔屓してます)。こうした時代劇は悪党が煌びやかでなくてはならないが、吉川晃司演じる鵜堂刃衛の不敵な面構えや悪のオーラはなかなかだった(悪党の配役さえ間違えなければ、続編もありだと思う!)。佐藤健のアクションのおかげか、他の映画ではイマイチ輝ききれない武井咲までステキに見えた。以下、青木崇高、江口洋介、綾野剛、須藤元気とアクションできる配役をしたのも成功の妙か。

この映画がワーナー・ブラザースのトレードマークとともに始まるのは、実に感慨深い。思えば、『グラントリノ』のクリント・イーストウッドも殺さずの誓いを立てており、あのイーストウッドが丸腰で復讐に向かうのが、感動のツボだったからだ。この作品の「人を守るための剣」というテーマは、最近のイーストウッド映画の主題に似ている点は観逃せない。映画のクライマックスで緋村剣心が殴り込みに向かうのは、香川照之演じる実業家・武田観柳の屋敷であった。待ち受ける観柳がそのときぶっ放すのが、イーストウッド監督の『アウトロー』でも登場した機関銃・ガトリング砲であるのは言うまでもない。

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るろうに剣心のポスター
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サトウ ムツオのプロフィール画像

サトウ ムツオFreak

ライター/エディター/ムービーバフ(映画狂)。責任編集のムック『007 Complete Guide ジェームズ・ボンドはお好き?』(マガジンハウス刊、1,500円)が11月30日発売。好きな監督は、クリント・イーストウッド(神)、マーティン・スコセッシ(神)。

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