映画『天然コケッコー』レビュー

田舎の「空気」

最初に断っておくと。私の田舎に対する思いは、望郷の念に近いものがあって、今でもできれば生まれ故郷である片田舎に戻りたい、という気持ちもあったりする。

そんな私がこの映画を観てまず思ったのは、田舎の「空気」をよくここまで綺麗に見せたものだという感嘆の思い。そして、その空気に違和感なく溶け込んだキャスティングの妙。特に主演の夏帆ちゃん。たぶんこれ以上の人選はなかったんでない?というくらい雰囲気だしてました(映画を観た後に原作を読んでもそのその思いは変わらなかった)。ラストの、黒板に対するキスシーンなんかは鳥肌が立つほど素晴らしかったです。この年に観た映画の中でも屈指の名場面じゃないかなぁ。

ストーリーにそんな起伏があるわけじゃないのに、2時間があっという間だったという点も白眉。これは監督が意図的に演出してたと思われる間の取り方が巧かったというのもあるんだろうけど、田舎に抱く個人的な思い入れの問題も大きかったんだろうな…。

実際の田舎がこんなにも美しく感じるか、というは別問題ですが、こういう映画は心が疲れ気味の時にのんびりみるといい清涼剤になりそうですね。心が荒み気味なのを自覚している方なんかには強くご鑑賞をお勧めします。

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天然コケッコーのポスター
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橋向 昭一のプロフィール画像

橋向 昭一

馬と自転車が好きです。

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