映画『バトルシップ』レビュー

まさに底抜け超大作の鑑

「『トランスフォーマー』製作のハズブロが贈る」―日本で言えば「『ガンダム』製作のバンダイが贈る」であろうか。あまりにも苦しい。原案は同名のテーブルゲーム。ジェームズ・キャメロンがその製作意義に疑問を呈していた一本である。そんな作品が製作費2億ドルの超大作…果たして正気の沙汰であろうか?しかし蓋を開けてみれば、ジャンクフード的な楽しさに満ちた娯楽作品に仕上がっていた。
要は海上版『トランスフォーマー』であり『インデペンデンス・デイ』である。マイケル・ベイ/ローランド・エメリッヒ映画のような「雑さ」に臨む覚悟で観ればこれほど楽しめる作品も無い。原作のテーブルゲーム的シチュエーション再現の強引さ、敵であるエイリアンの行動のご都合主義…「頭の悪さ」もまた茶目っ気である。
この「頭の悪さ」が際立つのが「これ、そもそも戦艦(Battleship)じゃなくて駆逐艦(Destroyer)映画じゃね?」という誰しも抱くツッコミが裏返るクライマックス。「痛快」の一言ではとても片付けられないあまりにもあんまりな展開に笑いが止まらなかった。ピーター・バーグ、きみはじつにばかだな(褒め言葉)
役者では準主人公を演じた浅野忠信が儲け役。『インセプション』における渡辺謙のような、ハリウッド大作における確固たる役をハリウッド進出二作目でゲット出来たのは幸運と言えるだろう。主要キャストに名を連ねるリーアム・ニーソンはジョー・カーナハンがバラした所によると撮影期間僅か一週間という事で、その存在はほぼ詐欺に近い。問題はそんなニーソンよりオーラの無い主人公テイラー・キッチュ。本作は彼の成長譚なのだが、余りにも魅力に乏しい。『ID4』でウィル・スミスが見せたようなカリスマが皆無なのだ。
奇しくも日本では同日公開の『ジョン・カーター』もキッチュ主演。果たして大丈夫かと思っていたら…(『ジョン・カーター』の頁につづく)

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バトルシップのポスター
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岸岡 卓志のプロフィール画像

岸岡 卓志Freak

孤高のイケメンチェイサー。映画に関する文章を書かせていただく等、地方都市から「映画」の素晴らしさを発信すべくがんばっています。

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