映画『ニューヨーク、恋人たちの2日間』レビュー

全部ホルモンのせい

ジュリー・デルピーが初監督を務めたラブコメディ「パリ、恋人たちの2日間」の続編。
前作の恋人とは案の定、別れてしまったデルピーはシングルマザーとなって単身渡米。クリス・ロック扮するラジオパーソナリティのミンガスと内縁の夫婦関係となり、彼の娘と4人で楽しく暮らしていた。そこへパリから父と妹、その彼氏(というか自分の元カレ)がやってきて…。

パリのアメリカ人を描いた前作の裏を返して、今度はフランス人達の奇妙キテレツな国民性でカルチャーギャップギャグを繰り広げる。さらに加齢ですっかりあけっぴろげになってしまったデルピーのオバチャン気質が下ネタをガンガン投入した。ただでさえ「ビフォア・ミッドナイト」の所帯じみた現実感に辟易していたのに勘弁してくれと思ったが、そこは老けても女優だ。自らの監督作の方が体型も細いし、可愛くて、おまけにちょっと幸せそうである。そうか、劇中の言葉を借りれば“女性ホルモンが安定している”のだな。シチェーションコメディに終始した前作に比べ、よりラブコメとして幸福度が増している所にデルピーの現在の充実度が伺い知れるではないか。“芸術の魂”としてビンセント・ギャロを本人役で出すなど、話術はますます冴えている。

そんな彼女に呼応したのか、ミンガス役のクリス・ロックが醸し出す落ち着きがいい。「世界にひとつのプレイブック」でもクリス・タッカーが好アシストしていたが、単にやかましいだけに思えた黒人コメディアン達の俳優としての成熟が嬉しい驚きであった。

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ニューヨーク、恋人たちの2日間のポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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