映画『ある過去の行方』レビュー

人間の弱さを集結させ、容赦なく描く。

これは、「別離」の監督の刻印が深く刻まれた一作。
語り口も、目線も、ミステリー仕立ての展開も、大人と子どもの動かし方も、とても似ている。

自分の弱さを誰かに頼る。
その頼られた人が誰ひとり受け止められず、さらに他の誰かに頼り、受け取れてくれなかった無力さを責める…。
人間の弱さのスパイラルだ。
その描き方は、前作同様容赦ない。

それぞれの「最悪の結論」に自分が加担してることを、いったいどれだけ理解しているのか…。
そんなふうに登場人物を責めながら観ている自分に、ハッとする。

一見、美しいラストカット。
決して握り返さない妻の手は、これからずっと背負っていくもの。
恐ろしい。
容赦ない。

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ある過去の行方のポスター
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茅野 布美恵のプロフィール画像

茅野 布美恵Freak

地方誌の編集者。映画は、ノンジャンルで鑑賞。基本的には、劇場で愉しむ主義です。その作品を観ないとわからないレビューになる傾向あり。情けない男が出てくる映画や、青春ものが好物。マイケルホリック(Michaelholic=マイケルホール心酔者)にして、パトリック(デンプシー)教徒。

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