映画『アナと雪の女王』レビュー

ロマンスよりも家族愛

本家ディズニーに初のアカデミー長編アニメ賞をもたらし、ついには「ライオン・キング」の興行収入も突破して大ヒットを続けているディズニーアニメの新たな金字塔…なのだが、僕はここに近年のピクサーの低迷がディズニーを立て直すために人材交流し、結果スポイルし合ったのではと穿った見方をしてしまった。初期ピクサー傑作群の機知の後では王道とはあまりに古風であり、またそのテコ入れもセルフパロディというここ数年で自ら手垢を付けた手法に終始してしまっている。オスカー主題歌賞の“Let it go”が早々に中盤で歌われて以後、突如ミュージカルとしての成りを潜めてしまう演出もいかがなものか。比べようもなかったろうが、宮崎駿の歪な作家性に彩られた「風立ちぬ」の挑戦の後では冒険心に乏しい作りだ。ジョン・ラセターがディズニー本社へ移ってからというもの、彼の信条としたクリエイティビティはピクサーにもディズニーにも達成されていないのではないか。

全般的に楽曲のキーの高さも耳に堪えた中(吹替え版の松たか子は健闘ではないだろうか)、ロマンスよりも家族愛を訴えたラストは胸に迫るものもあったのだが。

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アナと雪の女王のポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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