映画『LIFE!』レビュー

生まれ変わるんじゃない。拓くんだ。

「生きてる間に、生まれ変わろう」
この映画のキャッチコピーは、ちょっと違う気がする。
主人公のウォルターは、変わってはいない。

自分が冒した仕事のミスをカバーすべく、連絡の取れないカメラマンを追って旅に出るウォルター。
連絡がとれないネガティブな状況が、逆に彼を拓かせる。
世界は広がる。
変わらない彼の誠実さや実直さが、広がった世界を輝かせる。

何より心に迫るのは、妄想を続けていたときの彼を否定していないことだ。
むしろ、そのときの彼が「LIFE」の最後を飾るのだ。

著名なカメラマンを相手に、「表紙に使う写真を、どうしてそんな扱い方をするんだ!」と意見するウォルター。
それに、「悪かった」と素直に返すカメラマン。
なんてまっとうで、尊敬すべきやりとりなんだろう!
カメラマンを演じたショーン・ペンの魅力は、もう述べる必要もない。
パーフェクト。

「LIFE」最終号の表紙に起用された25番の写真は、見方によればベタかもしれない。
けれど、その光景を「美しい」と感じて撮影者がシャッターを切った瞬間が感動的なのだ。

そして、ウォルターが恋するシェリルを演じたクリスティン・ウィグがすばらしい。
ウォルターの背中を押すかのように歌う彼女の、空を仰いだ表情に目と心を奪われる。
彼が彼女に恋した理由が、言葉を超えて理解できる瞬間だ。

ベン・スティラーには、女性的感性が備わっているのか、もしくは女性を理解しているのか。
とにかく、モテ男なのは間違いなさそう。

9
LIFE!のポスター
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茅野 布美恵のプロフィール画像

茅野 布美恵Freak

地方誌の編集者。映画は、ノンジャンルで鑑賞。基本的には、劇場で愉しむ主義です。その作品を観ないとわからないレビューになる傾向あり。情けない男が出てくる映画や、青春ものが好物。マイケルホリック(Michaelholic=マイケルホール心酔者)にして、パトリック(デンプシー)教徒。

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