映画『スノーホワイト(2012)』レビュー

リアルテイストなヨーロッパ中世の光と闇。

私は西洋の中世時代がとても好きだ。特に13世紀~14世紀、ルネサンス前夜辺りのフランス・ドイツ・イングランドが大好物。その時代は俗信と魔術が跋扈し、光と闇の境界が曖昧で、何でも起こり得る猥雑さがあった。この映画はまさにそんな中世の闇の感覚をリアルに描き出し、私の趣味にドンピシャ。こんなに趣味ど真ん中なのは「レディホーク」以来かも。
何よりシャーリーズ・セロンの女王が素晴らしい。単なるステレオタイプな悪役ではなく、たまたま美しく生まれた「普通」の少女が、「永遠の美しさを保つ」呪いに囚われ、その精神的な弱さから魔術に縋らざるを得なく、その結果人間として壊れてしまった人物の演じ方が圧巻。やっぱり凄い女優さんだわ。クリステン・スチュアートのスノーホワイトも身のこなしが軽く、格好良かった。(何年も幽閉されてて、どうしてそんなに筋力があるのか? という素朴な疑問はありつつも・笑)しかし目覚めのキスは他国の王子にして欲しかったな(笑)。(そのとたんにリアルじゃなくなるけど。)
魔法の鏡がクリアに映らないのもポイント。中世の鏡はまだガラスで作られてないので、そんな所がリアル。毒リンゴの扱いと処理も好み。森の主的な牡鹿など、西洋の様々な伝説・伝承をふんだんに取り入れているのもツボ。映像の色合いやセンスもとっても好み。ラストが結婚式ではなく戴冠式で終っているのも好印象。早々と続編の話が出ているそうだけど、これなら続編あっても良い気がする。

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スノーホワイト(2012)のポスター
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大串 京子のプロフィール画像

大串 京子

シアトルに本社があるゲッティイメージズという映画や映像や広告などの素材を提供する会社で何でも屋的な仕事をしています。

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