映画『モンスターズ・ユニバーシティ』レビュー

身近な一歩が大切なんだ。

夢を追う。適正もある。勉強している。しかし天性には敵わない。自分を取り巻く人間たち全員から理解を得られないこともある。特に一番のキーマンに限って理解しないことの方が多いのが現実だ。

ピクサーで映画を作るなんて、映画に思いを抱く全ての人にとって夢たりえる。けれどこの映画を作ったピクサーの人間たちも、マイクと同じような思いをかつては抱いていた(ひょっとして今も?)ということか。

自分がなりたい自分。現実の自分。確実に差がある。しかしその「差」がどんな姿をしているのかは勇気をもって挑んでみないと判らない。大体みんな(おれも含めて)「差」を感じることだけで自分の中に「壁」を作ってしまうのだ。

最初は「こいつらが一体どうやってあれだけの名コンビになるのだろう?」と思わせるほどいがみ合わせる。クライマックスではまっすぐに盛り上げる。更にその先に2段目3段目を用意する。物語の弧にマイク&サリーの化学反応が追いついて醸し出すハーモニーが凄い。盤石のストーリーテリング。これも知恵の出しあいなんだろう。物語の全てを監督や脚本家の才能や責任に帰す日本の映画界とは全く違うフェアさと楽しさが伝わってくる。

マイクは夢を追うためにRORにおべっか使ったりはしなかった。自分のスジを通す。結果回り道になっても、出会った傲慢野郎はこの上ない相棒になった。目の前の命題や危機を戦うときに「夢」なんて考えてる余裕はない。遠くのスターに憧れるのもいいけど、身近な仲間・目の前の課題に全力になることは無駄じゃない。それがいつか「壁」を倒す。

ついにサリーのナビゲーターになるマイクだが、サリーをやっかむ気持ちより、あのドアにサリーと共に立つ期待感のほうが何十倍も大きいんだろう。自分の適正は、それを承認する相棒がいて初めて実体化するのだ。

おれの「夢」への相棒はいるか?
もうすでに出会ってるかもしれないな。

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モンスターズ・ユニバーシティのポスター
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Daisuke O-okaのプロフィール画像

Daisuke O-okaFreak

某メディア企業で取材・出稿を伴うVTRディレクターをやってます。映画製作ビジネスの経験有り。そのうち何かやってやろうとユルく模索中。映画以外では、スノーボードや自転車ほかアウトドア全般、マンガに読書、クルマ、ねこ、これからの社会の動きなど、興味は全方位。よろしくです。

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