映画『パシフィック・リム』レビュー

凛子の瞳が最終兵器。

ロボットに怪獣。オタク二題に良くぞ予算を投下してくれたWBとレジェンダリー!共に面白がる仲間や上司がいることは何と素晴らしいことか。状況を前に細かな齟齬を横にして団結して立ち向かうのは、相手が映画作りでもKAIJUでも変わらない。

その「団結」が熱い。米中露豪日のロボットが次々参戦する、目の前で動く!殴る!戦う!エンタメの中にシンプルで力強い希望。「危機に瀕すれば人々はまとまれる」。それをロボットと怪獣という、戦後の日本カルチャーの象徴を基に描いてくれたデルトロ監督に感謝。

イェーガー自体に最強の肉体感。ジプシーが船でKAIJUを殴りに行くシーンは、男なら誰だってあの心境になったことがあるはずだ。「ぶっ殺す!」と。気持ちがイェーガーに載る瞬間だ。

残念だったのは、東京とか日本の文字扱い。ニュースのタイトルも、東京の街の看板も、おれに校正くらい任せてくれよ!

マコのトラウマたる東京壊滅は、もっと死屍累々に描いてほしかった。両親が食われるとか。そこを控えたのは被災した日本人への思いやりか。
3.11よりこっち、一部の日本人の中で原子力アレルギーが盛りだ。しかし本編では原子力が敵を叩く鍵になる。ロボットも原子力も実は日本が最先端だ。デルトロ監督から日本へ「イデオロギー闘争など相手にするな。日本人にはサバイヴする技術もセンスもある。自信に満ちて存在を押し出せ」というエールだというのは深読みか。これほど熱い「友人」がいたのだ。

そして何よりマコ、菊地凛子!ケレン味満載の大気を堂々背負って、登場俳優の誰より一番の迫力。すでにハリウッドのスケールに馴染みきっている。何より「瞳」の演技が強いのだ。固めな英語、期待に応えるコテコテジャパンな所作、全てを引き込む「瞳」。菊地凛子だからこそ出来た人物造形。
世界を射抜く菊地凛子の「瞳」。

おれたちはもっとやれる。応えようじゃないか。

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パシフィック・リムのポスター
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Daisuke O-okaのプロフィール画像

Daisuke O-okaFreak

某メディア企業で取材・出稿を伴うVTRディレクターをやってます。映画製作ビジネスの経験有り。そのうち何かやってやろうとユルく模索中。映画以外では、スノーボードや自転車ほかアウトドア全般、マンガに読書、クルマ、ねこ、これからの社会の動きなど、興味は全方位。よろしくです。

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