映画『ローマでアモーレ』レビュー

アレン御大、熟練の手業。

ローマだろうが東京だろうが、何十万という人々が行き交い、様々な行き違いや衝突や閃きが生まれる。今回の映画では主に四つのグループが登場するが、各々のグループが無理に交錯したりしない。

ベニーニのエピソードに、凄い異物感がある。下種の勘繰りだが、
①製作のイタリア大手・メドゥーサがベニーニの出演をゴリ押しした。
②アレンとベニーニが映画のテーマについて語り明かし、ベニーニのみを風刺的なエピソードで突出させた。
…この2つのどっちだろう。

不意に訪れた「名声」に関われるチャンスの中で右往左往する家族や恋人たち。しかし結局「名声」に踊らされることなく、今までの「愛」の中に戻っていく。ただ、戻っていく人間たちは以前より少し違う。田舎から出てきた若夫婦の夫は高級娼婦と出会って「宇宙」を知り、名建築家に付き添われた学生が彼からの薫陶で自分の危うさを学ぶ。何よりアレン御大の演出で人生の頂点を極めた葬儀屋の表情が清々しい。

決定的に変わってしまう人生は描かれていない。しかし絶妙のキャラ造形が観る側を十分にハラハラさせてくれる。映画の中では会話が性格を形作る。この様を軽ーく観られるトーンでパパッと作ってしまうアレンの手業には舌を巻く。人生と映画に向けられたアレンなりの「アモーレ」。

「アモーレ」と言えば、もうペネロペ最高。この役は彼女にしか出来ない。世界の軸にあるラテンのマドンナ。

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ローマでアモーレのポスター
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Daisuke O-okaのプロフィール画像

Daisuke O-okaFreak

某メディア企業で取材・出稿を伴うVTRディレクターをやってます。映画製作ビジネスの経験有り。そのうち何かやってやろうとユルく模索中。映画以外では、スノーボードや自転車ほかアウトドア全般、マンガに読書、クルマ、ねこ、これからの社会の動きなど、興味は全方位。よろしくです。

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