映画『きっと、うまくいく』レビュー

あーる!いーず!うぇーーる!

もうこのコールが心から離れない。"Everything's gonna be alright"を、イギリス英語を素直に受け継いだ純朴なインド英語が表現したらこうなる。その韻は何故か日本人の僕の心をも震わせる。
"All is well."→"Aal Iiz Weeel!!"

インドと言えばコテコテの演出に3時間を超える尺。しかしこの作品はそうではない。「死んでも生き返る」「神様が見ていてくれた」などのコテコテのご都合は無い。幾度続くかと思わせる歌と踊りも回数を絞り見応えを増している。退屈さは感じない。

お馴染みのダンスだが、大学のもっさりした学生たちが数十人歌い踊る様がイケている。あの腰のくねりやケツの振りを支えるのはユルんだ肌の奥にある屈強な肉体。インド恐るべし。

冒頭から3バカのうちの2人が「旅」に巻き込まれる。赤い車でインドの大地をかっ飛ばすタイトルロール。去った友を想う朗々の歌が、それまでの熱い思いとこれからの旅路に観る側を引っ張り込む。

ドラマ面では「振りと受け」を丁寧に組み上げている。勿論「そんな上手くいくわけない」ツッコミもあろうが「Aal Iiz Well」だから問題ない。味方と敵双方の感情にいらぬ表裏は無い。そしてどの困難も「神は克服できない困難は与えない」レベルにある。「きっと、うまくいく」結末は判っている。なので「どううまくいくのか」を思い切り楽しんでほしい。
逃げるか、ふざけるか、説得するか、戦うのか。
思いが全て、「好き」が全てなのだ。

現場で様々なアイデアを出し合い笑いあいながら役者スタッフ一丸で作り上げたに違いない。インドという枠に留まることなく心に打ちこまれた暖かい映画。日本映画もこんな判りやすさとドライブ感をもっと見習ってもいい。

日本とインドでタッグ組んで映画作ったっていい!
なんせ「Aal Iiz Well!」なんだから。

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きっと、うまくいくのポスター
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Daisuke O-okaのプロフィール画像

Daisuke O-okaFreak

某メディア企業で取材・出稿を伴うVTRディレクターをやってます。映画製作ビジネスの経験有り。そのうち何かやってやろうとユルく模索中。映画以外では、スノーボードや自転車ほかアウトドア全般、マンガに読書、クルマ、ねこ、これからの社会の動きなど、興味は全方位。よろしくです。

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