映画『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』レビュー

これがグルーヴ。映画が沁みる。

娯楽への振り切り=ありえない描写が山盛りだ。
スキージャンプ、マスク男数十人との大乱闘、手品全国大会のテレビ番組(やんねーよ)、普段持たないセミオート銃の片手撃ち、ギリギリまで走ってちょうどいいとこでブッ壊れる車。
それでもイイと思えるのは、注入した侠気とグルーヴのおかげだ。

それを象徴するのが、探偵(大泉洋)。彼は携帯やPCを持たず、雑居ビルの一室に潜み、その日暮らしのようでいて、やるときは侠気も篤く戦う。打算や怖れもあるが決して卑怯ではない。つまり自由だ。そんな風に生きてる奴などいやしない。しかし探偵はそこにいる。
多少破綻してようが、画ヅラが70年代ぽくて古臭かろうが関係ない。映画館を出てきたら真っ先にバーで煙草を噴かしたくなる、肩で風切って夜の街を歩かせる、観た男をそんな風にさせる。理屈抜きで映画が沁みる。
これがグルーヴだ。

グルーヴの源は綿密な造形と入魂の演技。入りまくっている。
一作目で既存のイメージからの脱却を図り力が入っていた大泉洋、今回はよりしなやかに鷹揚に「探偵」を着こなし動く。相棒・高田(松田龍平)もいい。ボソっといる。アホみたいに強い。無理にエロく迫るウェイトレス(安藤玉恵)や乱暴な看護婦などはまるで「軽井沢シンドローム」だ。数々の個性が折り重なって、観る側をススキノの住人のように思わせる。

探偵は事実の底にある「思い」を追う。それは巨悪に見える橡脇(渡部篤郎)相手でも変わらない。盗人にも五分の魂。追い続けて詰まった探偵の脳裏に弾けるヒントは些細に思えた会話からだ。酔っても怜悧な頭脳が侠気と結びつく。これぞハードボイルドヒーロー。練った物語は明確に前作を越えた。

人の裏を見る。見たものを優しく隠す。許せない闇を追う。依頼人は守る。自らを捨てて走る。だから探偵はヒーローなのだ。

忘れてはならない。ゆまちんGJ。よく身体を作ってきた!

8
探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点のポスター
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0
Daisuke O-okaのプロフィール画像

Daisuke O-okaFreak

某メディア企業で取材・出稿を伴うVTRディレクターをやってます。映画製作ビジネスの経験有り。そのうち何かやってやろうとユルく模索中。映画以外では、スノーボードや自転車ほかアウトドア全般、マンガに読書、クルマ、ねこ、これからの社会の動きなど、興味は全方位。よろしくです。

映画『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』に対するDaisuke O-okaさんのレビューにコメントする

こんな作品もレビューされてます

新聞記者のポスター

【この国の民主主義は形だけでいいんだ】

 おもしろい! どれくらいおもしろかったか? 横のおじ...

パティ・ケイク$のポスター

ニュージャージーのラッパー NR

 ニュージャージー版、 サイタマのラッパー? ニュージ...