映画『アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン』レビュー

クレアモント殺人事件

1999年にカリフォルニア州クレモントで起きた実際の殺人事件を描くニック・カサヴェテス監督作。まだ年端もいかないドラッグディーラー達が借金のカタにと一般人である弟を誘拐。無軌道で衝動的、その計画性のなさから次第に事態は不穏な空気を帯び始めていく。

冒頭にブルース・ウィリスなんかが出てきてちょっとコミカルなやり取りをするものだから、ついつい小粋な犯罪モノかなと思ってしまったが、登場人物が増える度に“証人”というテロップが表示され否が応でも不安が募るなど、カサヴェテス監督の演出はどうにも居心地が悪い。

若手からベテランまでスターを揃え過ぎたために画面が華やか過ぎるのも実話の重みを消してしまったか。
「イントゥ・ザ・ワイルド」出演前のエミール・ハーシュはやはりディカプリオを彷彿とさせる存在感を放っているし、ジャスティン・ティンバーレイクも優雅な魅力をふりまいている。他、アントン・イェルチェンやアマンダ・セイフライド、ベン・フォスターらが“無軌道な若者”には収まらないスターオーラを持っているので映画的魅力を高め過ぎた。

結局、理由にならない理由で殺人に手を染める彼らが、ほんの一時前までなんて事のない青春と背中合わせにしていた虚しさが残る。

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アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウンのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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