映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』レビュー

Godzilla “Not a king of the movies.”

 前作から実に5年ぶりの続編。今回は事前にアナウンスされている通り、ゴジラはもちろんキング・ギドラやモスラ等の有名怪獣が一堂に会し、地球の覇権をかけて壮絶な戦いを繰り広げる。まさにオールスター集結の最強王者決定戦である。

 そんな訳で勿体ぶってチラ見せが多かった前作とは打って変わり、のっけからスペクタクルの大サービスだ。世界各国で次々と太古の巨神が目覚め、都市を地獄絵図に塗り替えていく。不謹慎だが、絶望的なまでの世紀末描写は心躍るものがある。

 怪獣映画なのだから大迫力の怪獣プロレスが見られれば満足、そういった需要も少なくないだろう。実際、ハリウッドの底力が惜しみなく投入された本作のVFXは、物量・質共に過去最大級であり、かつ現在において最高峰に君臨するのは間違いない。

 監督の熱烈な原作への愛は両想いなファンにとっては堪らないのだろうけど、そうでない者にとっては重荷に感じてしまう節もある。スクリーンを突き破りそうな怪獣がもたらす災害と、それに覆いかぶさる音響に音楽。物量がすべてと言わんばかりの演出は一息つかせる暇すら与えない。そう、一言でいえば五月蠅いのだ。今目の前で起こっていることばかりに着目し過ぎて、一向に流れも見えてこなければ、その喧騒のせいで物語を聞き取ることすらできない。怪獣を目覚めさせて世界の崩壊を企む悪の組織も、人質救出作戦も、いつの間にか「そんなのあったっけ?」状態。破壊するのは街だけで十分。メロディラインを失えば、物語はもはや騒音でしかない。

 「怪獣と人類の共生」をテーマに謳っているが、そもそも本作自体が怪獣プロレスと人間ドラマの共存に失敗している。ルール無用の違法相撲で勝ち誇っても、横綱として受け入れるのは不可能なのだ。

3
ゴジラ キング・オブ・モンスターズのポスター
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0
奥 直人のプロフィール画像

奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に対する奥 直人さんのレビューにコメントする

こんな作品もレビューされてます

僕はイエス様が嫌いのポスター

また逢う日まで

  思いもよらぬ事件や事故に胸を痛めるにつけ、こんな世の中...

名探偵ピカチュウのポスター

ピカぴぃ・・ピカピカ

 ピカピい・・ピイカピカ 通じてますか? ケンワタ...