映画『魂のゆくえ』レビュー

21世紀のyou talkn' me(〇〇〇〇者) ?

トラヴィス・ビックルにとっての
you talkn' to meのyou は
周囲のチンピラや偽善者たち。

トラーにとってのyou talkn’to meのyouこそが、
本作の主題であり、
ポール・シュレイダーの集大成,あるいは遺言?なのかもしれない。

トラーにとってのYou?
どういうことか?

より巨大な力で偽善を犯す人たちと対決!
と思わせておいて、
you はMaryに代わる。
Mary(他の名前ではなく、この名を名付けたという事は、
聖母Mariaと解釈してしまうでしょ。
無理はあるが処女懐胎に近い設定でもある。)

Mary is talking to me .

※以下余談
苦言をするならば、
このyouの意味する、憎しみ、攻撃、受け入れ、赦し、
を軸にしたプロットだけでも映画として成立はする。

しかし、あまりにセリフのみの会話だけのシーンが多過ぎる。

聖歌隊が唄うシーンのイーサン・ホークのカメラ目線(微妙に外れている?)など、イーサン・ホーク頼みのエンタメとして成立はしているとも言えなくもない。

ベルイマンやブレッソンから引用、カヴァレロヴィッチへのオマージュ、
そして、スコセッシやP.T.アンダーソンに監督を任せる選択肢もあったのかもしれないが、ふたりとも今ではもっと難解な事をしでかすかもしれない巨匠になってしまった。
パク・チャヌクやイ・チャンドンなら、どうなんだろう?
グザヴィエはまだトラヴィスレベルか・・・など考えたけど、
結果、監督俺という結果になったのかな?・・ないない(苦笑)

もうひとつ
ふたりで田舎道をサイクリングするシーンはスタイル・カウンシルの「My ever Changing moods 」のPVを思い出した人が多いかも。
なぜなら、アングルなど撮り方も似ているし、なにより歌詞がトラー牧師の心境そのままだから。

7
魂のゆくえのポスター
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小川 勝広のプロフィール画像

小川 勝広

『ブタがいた教室』企画・プロデューサー
『乱暴と待機』プロデューサー
京都造形芸術大学・非常勤講師
東北芸術工科大学・特別講師

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