映画『グリーンブック』レビュー

シャーリーが求めたdignityとトニーに足りないdignity

♪なるべくちいさな幸せとなるべくちいさな不幸せ、なるべくいっぱい集めようそんな気持ちわかるでしょう♪

シャーリーが南部へのツアーを決めた理由はdignity(自尊心)
トニーが何度も言われていた、君に欠けているのはdignity(品性)

Dignity(自尊心)なんて、高い城の中に居ると見えてこない。
日常生活の中で、あるようでないような不思議なものではないか。
拾っても踏みつけられ、手に入れたと思ったら消えてしまう、そんな事の繰り返し。
そして
ベートーベンやショパンを弾いていてもその実感は湧かない。
目の前の人と唄ったり踊ったりしなくて楽しいか?
フライドチキンも手で、骨や肉をつかんで、まずは手の味覚で味わう。(日本ではおにぎり、寿司だけになってしまった。手にも食感はある)
そんな互いのちいさなdignityを交換しながらクリスマスを迎える。
シャーリーが探していたものは音楽やツアーにではなく、
意外な場所にあった。
そんな気持ちわかるでしょう。
※余談
奥さんがドロレスだからオズの魔法使いのドロシーみたいで、知恵を求めるブリキマンがトニー、心を求めるかかしがシャーリーにみえた。

もうひとつ余談
ブレント・スコークロフト元(ジョージ・ブッシュ)大統領補佐官
が湾岸戦争を早々に撤退することを決めた理由。
クェートに協力する形だけですぐに撤退。
その理由は
イラクが求めているのは、managementでもなく、freedomでもなく、dignityだと。
Dignityを求めている国民に干渉してはいけない。
とスコークロフト。
第二次大戦の教訓で90年代前半くらいまでは建前だけでも世界中の常識かと思われていた。

息子ブッシュ以降の事はみなさんもご存知のとおり。

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グリーンブックのポスター
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小川 勝広のプロフィール画像

小川 勝広

『ブタがいた教室』企画・プロデューサー
『乱暴と待機』プロデューサー
京都造形芸術大学・非常勤講師
東北芸術工科大学・特別講師

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