映画『セクシャリティー』レビュー

オクタヴィオは死んだ

Netflixドラマ『またの名をグレイス』で名実共にカナダを代表する気鋭女優となった感のあるサラ・ガドン。コスチューム劇で見せる可憐な乙女役にはうっとりさせられるが、彼女の魅力は同郷の異才クローネンバーグやヴィルヌーヴの作品で見せたこの世ならざる“妖しさ”ではないだろうか。スックイン・リー監督のデビュー作『セクシャリティー』(原題Octavio is Dead)はそんな彼女にピッタリの不可思議な映画だ。

主人公タイラーのもとに父の訃報が届く。彼女が生まれて間もなく父は家を去ったのだ。母は女手一つでタイラーを育てたが、今は障害者保険を騙し取っている。過干渉な母に嫌気がさしたタイラーは父オクタヴィオの遺したアパートへ向かうのだが…。

タイラーが父のアパートへ向かうと周囲では奇妙な事件が起こり始める。リーの演出は明らかにデヴィッド・リンチの影響下にあり、前半はほとんどホラー映画のような怖さだ。サラは製作総指揮も務めてこの新鋭監督サポート。やはり風変りなミステリーが好みなのだろうか。

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セクシャリティーのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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