映画『パシフィック・リム アップライジング』レビュー

オレもZZで行く!

前作は日本でも圧倒的に支持されたが、僕にはどうにも微妙に色味の違うガンプラが出来上がってしまったような感慨しか抱けず、そのためファンには不評の本作はさほど目くじらを立てる事もなく見られた次第。

ジョン・ボイエガ扮するジェイクが主人公に見えるが、彼には(ロボットアニメの)主人公に必要な葛藤が全く用意されておらず、ボイエガの頼もしいスター性を持ってしてもこの構造欠陥を救えていない。ジェイクは既にパイロットとしての訓練を終えた元軍人であり、あっさり復隊してアマーラたち新世代パイロットの教官に収まってしまう。ライバルとも言える堅物エースパイロットのネイト(まるで親父さん風に芝居をしてくれと指示があったかのようなスコット・イーストウッド)ともトップガン的な争いはナシだ。いっそのことイェーガーをかっぱらって売り飛ばそうとするくらいしてくれよ!

ギレルモ・デル・トロからメガホンを引き継いだスティーブン・S・デナイト監督は前作のスピリットをしっかり継承しているが、どちらかというとマジンガーよりもガンダム押しな印象だ(お台場のユニコーンガンダム立像らしき物も一瞬、映る)。元ジャンク屋でロボットのパイロットという設定はもちろん『ガンダムZZ』。『レディ・プレイヤー1』ではRX-78がなぜかZZのポージングを取るなど、ここにきてラブコールが相次いでいる。なぜ。アマーラ役のカイリー・スパイニーちゃんはボイエガとも対等に渡り合うスターオーラで映画を牽引、これからが楽しみだ。

途中でエヴァ風のイエーガーまで登場する盛り沢山ぶりで、日本のロボットアニメが50話かけてやっているドラマは望むべくもないが、クライマックスは日本が舞台になるのだから気を良くしておこう。次作はどうやら宇宙へ向かう様子。当然、宇宙戦艦なアレも出る…よね?

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パシフィック・リム アップライジングのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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