映画『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』レビュー

マーベル最大の衝撃作

スーパーヒーロー集結映画『アベンジャーズ』の第3弾はマーヴェル・スタジオ10周年にふさわしい豪華絢爛の超大作だ。オールスターが贅沢に入り乱れ、アクションもギャグもたっぷり。それでいてメジャー大作としてはおそらく『スター・ウォーズ帝国の逆襲』以来のサプライズ、クリフハンガーもある。僕は初日に観に行ったが大熱狂の2時間40分後、場内はどよめき(嗚咽を上げている女の子もいた)、ハリウッド娯楽大作のエンドロールとは思えない異常な空気に包まれた。そう、これはマーヴェル史上最も野心的な1本でもあるのだ。

要因の1つが最凶の悪役サノスの造形だろう。その目的は人口過多になった宇宙の生命を無作為に半減する事で均衡を保つ事であり、そのためならどんな犠牲も厭わない姿にはある種の悲壮感すら漂っている。演じるジョシュ・ブローリンはモーションキャプチャーを超えた心理演技で義理娘ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)への深い愛情をにじませ、このキャラクターの複雑さを深めている。彼もまた全宇宙人類のためという大義を抱えたヒーローなのだ。
そのヴィジランティズムはかねてよりアメリカ映画が抱えてきた命題でもある。彼が背負う大きな代償も見どころだ。果たして正義とは何か?ルッソ兄弟はこれまでのマーヴェル作品で何度も同じテーマを変奏し、繰り返してきた。そんなサノスに対してアベンジャーズは「命に大小はない」と立ち向かっていくのである。

衝撃の結末を受けて残されたアベンジャーズ創設メンバーがいかなるアベンジを行うのか?続く『アベンジャーズ4』でマーヴェルは今一度、ヒーローとは何かを問い、そしてもしかしたらアメコミ映画の新たな更新を行うかも知れない。その日まで、今しばらく待つとしよう。

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アベンジャーズ インフィニティ・ウォーのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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