映画『レディ・プレイヤー1』レビュー

オレもガンダムで行く!

全編ポップカルチャーネタの絨毯爆撃だ。目も眩まんばかりの勢いは中盤『シャイニング』の狂気的とも言える徹底再現でピークに達し、思わず「凄い」と息が盛れた。3D-IMAXで鑑賞したのだが、まるで映画の世界に入り込んだような錯覚である。
ネタの1つ1つが一丁噛みで終わらない“わかっている”仕事っぷりであり、ゲームファンも映画ファンも思わず頬が緩んでしまう。そのクライマックスを飾るのがメカゴジラVSガンダムというまさかの2大日本アイコン。そこまでジョン・ウィリアムズ調のスコアを披露していたアラン・シルヴェストリもここは伊福部サウンドをフォローだ。

80’sリバイバルブームがさけばれてしばらく経つが、決定打となったNetflixの『ストレンジャー・シングス』はじめブームの根底は80年代スピルバーグ映画へのオマージュである。当のスピルバーグの70年代末~80年代はTV、映画の大量生産期であり、多くのポップカルチャーアイコンを生み出した時代だ。劇中の創始者ハラデーはまさにスピルバーグそのものであり、そういう意味でも本作はリバイバルブームの総決算とも言えるだろう(現スピルバーグにとっての演技アイコンであるマーク・ライランスをキャスティングした理由もおそらくそこではないだろうか)。

そんな時代を楽しんだ側ではないスピルバーグの一歩引いた視点は物語の舞台設定にも見受けられる。2045年の未来は経済破綻により国民の多くが貧困状態にある。ヤヌス・カミンスキーによるカメラはSFディストピア映画『マイノリティ・リポート』と同様、曇天のようにくすんだ銀残しだ。御年71歳、好き放題に遊んでみても未来を楽観視できない姿勢は同時期に『ペンタゴン・ペーパーズ』を撮り上げる創作衝動を持った御大ならではである。

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レディ・プレイヤー1のポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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