映画『トゥームレイダー ファースト・ミッション』レビュー

意外にも逞しいA・ヴィキャンデルのアクションヒロイン

 かつてアンジェリーナ・ジョリー主演で映画化された有名テレビゲームシリーズの、最新リブート版。今回ララ・クロフト役に就任したのは、「リリーのすべて」でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ヴィキャンデル。初の本格アクションヒロインデビューである。

 正直、予告を見た時から不安があった。小麦色の肌は健康的ではあるものの、ヴィキャンデル自身はかなり華奢な体系で、アンジーのような滴る色気も感じ難いからだ。

 ところがどっこい、本編ではこれが意外にもハマっているから驚いた。細身ながらも筋肉質な体はアスリートのようで、そのバネを活かして駆け回る姿は逞しさすら感じさせる。

 何よりアクションが結構楽しい。滝の上にそびえる今にも崩れ落ちそうな飛行機に飛び乗ったり、床が抜けていく遺跡の謎を解いたり、まるでSASUKEのような命懸けのステージ型ミッションが手に汗握る。生身のスタントも満載で、CGの補助を受けていても説得力は抜群だ。ララ・クロフトも決して無敵という訳ではなく、アクションの過程でダメージを追っていく姿がスリルを増幅させる。さすがオスカー女優、痛みにひるむ演技もバッチリだ。

 冒頭からエクストリーム・スポーツの要素をふんだんに盛り込んだ街中のアクションでララ・クロフトの運動神経を強調したかと思えば、ジャングルではインディ・ジョーンズ風アクションを繰り広げ、オカルト的謎解きの先には意外なオチが待ち受ける。全体として演出の方向性が統一されておらず、チグハグな印象を受けるのが残念だ。使命に目覚めたララが大活躍する続編に期待したいところだが、全米でのズッコケぶりを見るに、シリーズ企画は葬られるだろう。「墓荒らし」の意を持つトゥームレイダー、まさかミイラ取りがミイラになるとは皮肉である。

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トゥームレイダー ファースト・ミッションのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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