映画『ジオストーム』レビュー

この映画自体、制御不能

 最新技術で人類が気象をコントロール出来るようになった世界。大規模な自然災害は克服されたはずだったが、突如人工衛星が制御不能に陥り、各地で異常気象が多発。やがて世界は破局的な嵐“ジオストーム”の危機にさらされてしまう。

 CGで描かれる災害描写が売りの、正統派ディザスター映画。とは言えこの手のジャンルは既にやり尽くされており、ローランド・エメリッヒによる「デイ・アフター・トゥモロー」や「2012」で大規模な災害描写も極まった感がある。

 予算に物を言わせて大規模な破壊映像を作っても、過去のヒット作との比較は避けられない。そこで本作は、ディザスター映画の中にサスペンスの隠し味をプラスする。人工衛星の故障の裏には大きな陰謀が隠されており、その捜査が物語を牽引していくのだ。

 新味を打ち出しにくいこのジャンルにあって、ストーリーで差を付けようとする試みは間違いなく正しいだろう。ただ、サスペンスとは言ってもその実は荒唐無稽そのもの。主要人物の大半は科学者や政府高官といったエリートで構成されているのに、偏差値からは想像もつかない穴だらけの計画とテキトーっぷり。さすがに中学生でもこれはおかしいと気が付くはず。

 端からB級能天気映画なのだから目くじらを立てるのも申し訳ないが、そういう言い訳を持ち出さないと肯定できない時点で、映画としての魅力の無さを露呈している。気象をコントロールする前に、まずはクオリティをコントロールすべきだった。

2
ジオストームのポスター
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0
奥 直人のプロフィール画像

奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

映画『ジオストーム』に対する奥 直人さんのレビューにコメントする

こんな作品もレビューされてます

ミッドナイト・サン タイヨウのうたのポスター

うた唄いの恋

  つまらない作品がリメイクされることはないが、その逆は十...

ヴァレリアン 千の惑星の救世主のポスター

圧倒的な創造量の多さ

 リュック・ベッソン監督の描くSFの世界観が好き。 SF映画を...

レッド・スパローのポスター

あ~また騙されると思いながら僕はどんどん堕ちていく

 ああうそつき映画と怒りながら僕は人生かたむける。 久しぶ...