映画『ゲット・アウト』レビュー

アメリカで黒人であること

どっひゃ~!
これはとんだ怪作、快作だ。
現代の低予算ホラーの帝王ジェイソン・ブラム製作による本作はハラハラするスリラーであり、観客が望むだけの血糊をぶちまけて、後半のトンデモ展開はいわゆるジャンル映画のそれである。しかし、根底にはヘイトの時代を揶揄するそれはそれは黒い笑いが込められたブラックコメディだ。

主人クリスは恋人ローズの実家へ招待される事になった。カノジョの実家に行ってご両親と挨拶…男子なら誰もが憂鬱になるシチェーションだが、クリスにはもう1つ大きな理由がある。ローズは白人、自分はアフリカ系アメリカ人という事だ。
いやいや、さすがに黒人も大統領を務めたこの御時世にそれは時代錯誤な杞憂だろう。ところがローズの実家へ行ってみると…。

おっと、ここまで。
続きはぜひとも映画館へ行って自分の目で確かめてもらいたい。
脚本、監督を務めたコメディアン、ジョーダン・ピールのユーモアセンスは“真っ黒”だ。白人の掲げる上っ面のポリティカルコレクトを笑い、アメリカでは黒人であること自体がそもそもホラーなんだけど!と笑う。

これがトランプの大統領就任直後に全米で大ヒットしたというのだから面白い。社会不安を娯楽へと転化するのが優れたホラー映画の条件ならば、ちょっと複雑な気分ではあるが、いよいよホラー映画のルネッサンスが到来しつつあるのかも知れない。

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ゲット・アウトのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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