映画『プロメテウス』レビュー

失望と挫折についての神話。

IMAX3Dで観た!感動した!多くの謎を楽しめる良質のSF作品だった。
人類の起源と言う宣伝文句だが、それは映画の冒頭でいきなり見せられてしまう。これは、テーマがその先にあると言う事だ。それは。人類の創造主と作られしモノの物語である。
作られたモノは身勝手だ。好奇心を持ち自分の創造主に対して挑戦してしまう。アンドロイドのデビッドは小さな好奇心から、創造主たる人類に些細な実験を試みる。そして、人類は創造主をエンジニアと呼び、対等の対話を試みる。人間は身勝手だ。古代人が敬う崇拝の対象に対して、招待状と誤解し、そこに勝手な期待を膨らませ、会いに行く。
だが、創造主にとっては、我が手で生み出したモノが重力の足枷から抜け出してこっちの世界にやって来て、眠りを起こされ、対等に語り合おうとしている。神の言語を語る人形まで作りやがった。何か要求もしてきた。そりゃ怒るよね。天界まで届くバベルの塔は破壊せねば。かくして創造主は罰を与えるために地球へ行こうとするのだ。
つまり、人が神の領域に入り込み、罰せられる物語である。それを人の作りしアンドロイドの視点で描いているのだ。勿論、謎も多くある。あの黒いタールのような液体は何なのか?蛇のような生物は?また、創造主が人類を作った目的は?そして、デビッドはエンジニアに何を訪ねたのか?それらを想像する楽しさが、この映画の魅力である。
人は勝手な期待に胸を踊らせ、違う結果を見て失望する。失望は、己の身勝手さが生むものなのだ。『プロメテウス』を観て、最初に思い出したのが『1492:コロンブス』だった。これもまさに失望と挫折の物語だ。ちなみにこの原題は“Conquset of Paradise”楽園の征服である。先日発表された『プロメテウス』の続編のタイトルが“Paradise”である。次は、天国で、どんな失望が待っているのだろう。この謎を次回作まで楽しもう。

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プロメテウスのポスター
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岡本 和大のプロフィール画像

岡本 和大

映画と酒をこよなく愛する自称マジシャン。

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