映画『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』レビュー

20世紀少年

1990年に製作されたTVムービー版でも前後編合わせて4時間かかった膨大な原作を今回は主人公らの幼年期に焦点を絞って脚色。さらに原作では1950年代だった設定を1980年代へ変更し、まるで『スタンド・バイ・ミー』に魅了された僕らのノスタルジーをくすぐるようなジュブナイルホラーとして2017年にリメイクされる意味を見出している。もちろん、これはスティーヴン・キングものにオマージュを捧げたNetflixのオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス』の成功に依る所が大きいだろう。少年達が内なる恐怖を乗り越え、悪鬼ペニー・ワイズと戦うこの一夏の物語は観る者を熱くさせ、奮い立たせるパワーに満ちている。そして永遠の絆で結ばれる彼らの友情に感動するはずだ。

もう1つの成功要因は観客に媚びない作り手の強気なレイティング設定だろう。
近年、ハリウッドでは興収目当てにレイティングを下げるよりも、あえてR指定にする事で素材を活かす事を重視しており、本作では息もつかせぬ恐怖描写の連打で大人もしっかり震え上がらせてくれる。予告編で誰もが目にした男の子と下水溝に潜むペニー・ワイズのシーンでは劇場内が恐怖のあまりに凍り付いていた。

アンドレス・ムシェッティ監督の容赦ない恐怖の波状攻撃に晒される子役たちの“めんこさ”は本作最大の魅力だ。
明確に描き分けられた彼らはいつか見た『グーニーズ』や『スタンド・バイ・ミー』のあの子達であり、そして僕らが少年時代に一夏を過ごした友人達だ。中でも紅一点ベバリー役ソフィア・リリスの可愛らしさが僕らのノスタルジーをくすぐってくれる。

本作の大成功を受けて大人編を描くパート2の製作も決定した。
子役らが自分を演じて欲しい俳優をメンションする楽しいインタビューも上がっており、ぜひともアベンジャーズ級の豪華キャストを実現してほしいところだ。

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IT イット “それ”が見えたら、終わり。のポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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