映画『ドリーム』レビュー

ケビン部長の男気

最近のケビン・コスナーに絶大な信頼を寄せている。
理想の上司を演じさせたら右にでる役者はいないんじゃないだろうか。人間的には粗めでありながらも強いリーダーシップを感じさせる。偉大なる目的遂行のためならルールさえもぶっ壊す。

彼にとって、肌の色による差別など大した問題ではない。差別がおこなわれている状況に気づくのも遅め。でもそれは無理もない。今までは白人のみしかいない差別とは無縁の職場環境だったから。そんな中に、ポンっと黒人女性が配属されたらだれもが戸惑う。だから職場内でも、露骨ではないけど微妙な差別が行われてしまう。観ている自分たちは「早く気づいて、ケビン部長!」と願いながら状況を見守るしかできない。

でも当時、白人ひとりひとりが意識的に黒人への差別感を抱いていたというよりも、社会全体がそのような意識を植え付けていたという印象をうける。映画の中ではそのことも言いたかったんじゃなかろうか。それを表していたのが、冒頭に登場する警察官、風洞実験室のユダヤ人上司、キルスティン・ダンスト、ケビン・コスナーの3人だ。差別する?しない?社会的な判断をするか、それとも自己判断か。社会的な流れが一歩前に前進すると、みな縛られていたかのごとく本音をいいやすくなる。まさにそれこそが進歩なのだろう。でも、もし自分がその当時に白人としてアメリカで生まれ育っていたならどういう行動をとっていたかは全く検討がつかない。

最後に、音楽がハンス・ジマーとファレル・ウィリアムスのコンビであることについて。ハンス・ジマーは、普段のド派手なジマー節を封じ、本当の意味でのBGM(環境音)を用意するのがうまい。特にファレルとのコンビの場合は、ファレルの音楽が一番のアクセントになるように最高のお膳立てをする。まさに名コンビ、肌の色は全く関係ない。

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ドリームのポスター
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Koshun Az

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