映画『エイリアン コヴェナント』レビュー

80を目前にしてシリーズの玉座に腰掛けるリドリーの偉大さよ!

 80歳を目前にしてもなお製作意欲の衰えない超人、リドリー・スコット。ジョージ・ルーカスやジェームズ・キャメロンがライフワークの一つでもある「SW」や「ターミネーター」から身を引くのに対し、未だに自らの手で新作を撮り続けるとは、恐れ入る。

 あえて非効率でも実写にこだわるノーラン・アプローチが称賛を集める中、それでも表現の幅を広げるCGに批判的になる必要はない。エイリアンによる人体突破シーンも、かつてのパペット演出では表現し切れない光沢や細かな動きを実現している。残酷であり、同時に美しくもあり目が離せない、本来の意味でのグロテスクなビジュアル。映像技術的には目新しい表現こそないものの、「エイリアン コヴェナント」は最新のVFXの恩恵を良い意味で受けた作品だ。

 神話や古典芸術を引用して物語に哲学性を持たせてはいるものの、結局寄り道をしただけで疑問が解決するばかりか謎が増える展開の中においては、活かし切れたとは言い難い。尤も、「ターミネーター」のように迷走を繰り返したり、「パイレーツ」や「トランスフォーマー」のように行き止まりにぶち当たることなく、最低限の節度を保っているあたりファンとしては喜ぶべきか。なんだかんだでシリーズの創造主リドリー・スコットが君臨しているわけだし。

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エイリアン コヴェナントのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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