映画『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』レビュー

ミイラ再生失敗

 ミイラ、フランケンシュタイン、透明人間、狼男など、往年のモンスターを集結させる一大フランチャイズ「ダーク・ユニバース」。その壮大な計画の記念すべき第一弾となる本作。絶対に滑ってはいけない映画と言うことで主演にはトム・クルーズを配し、期待は高まるばかり。

 出だしは悪くない。古代エジプトの女王が悪魔と取引を交わし、権力を手に入れようとするも封印されてしまう。時は流れて現代。トム演じる盗人が戦闘の末に古代の遺跡に辿り着き、女王の封印を解いてしまう。設定もビジュアルも既視感たっぷりだが、目くじらを立てるようなものでもないだろう。

 ただ、面白いのはここまで。その後は「ミイラ再生」のリメイクと言いながら、ほとんどゾンビのようなモブミイラと、暗い画面で一向に盛り上がらない申し訳程度の小競り合いが続く。地に足が付いたアクションと言えば聞こえはいいが、エジプトを舞台に最新のCG技術でミイラとの戦いを演出した「ハムナプトラ」シリーズと比べれば、本作の存在意義は薄く、突き抜ける魅力に乏しい。

 何より、このダークな世界観とトム・クルーズの相性が最悪なのだ。トムと言えばそれだけで画面が活気づく、完全に陽性のスター。そんな彼にドロドロしたダークな雰囲気は似合わない。トムの綺麗な顔すらまともに映さず、その個性を殺してしまう後半の展開には唖然呆然。

 軽口を叩きながら女性を抱いて悪事を働くチャラ男になったり、女ミイラにボコボコにされて吹き飛んだり、壮大なフランチャイズの門出を背負うべく魅力あるキャラ作りに励んでいるのは分かるが、トムが活気づけばづくほどダークな世界観から離れていってしまう。陽と陰が混在し、それがお互いを際立たせることなくひたすら殺し合う居心地の悪さ。久々に掘り起こされたミイラは、残念ながら再生しなかった。

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ザ・マミー 呪われた砂漠の王女のポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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