映画『パワーレンジャー』レビュー

ゴー(笑)ゴー(笑)パワーレンジャー(笑)

 日本発の戦隊ヒーロー物がハリウッドで本気の実写化。太古の地球を守っていたスーパーヒーローの力を偶然受け継いだ現代のティーンエイジャーたちが、再び迫りくる脅威から人々を守るために立ち上がる姿を、思春期の成長物語と重ねながら描き出す。

 さて、5人のティーンたちは、母の再婚相手と馴染めず将来を有望視されながら素行不良を繰り返したり、同性愛者や自閉症だったり、揃いも揃って問題を抱えたハミ出し者である。映画の大半は彼らが自らのトラウマを克服して一致団結するまでのドラマパートに時間を割いており、暗い映像やムードも手伝ってかなりシリアスな印象を受ける。

 一方で彼らがパワーに目覚めると「ゴー・ゴー・パワーレンジャー」のテーマソングが流れ、途端に正統派戦隊ヒーロー映画へと変貌を遂げる。そのチンプンカンプンな落差に、思わず椅子からズリ落ちてしまいそう。さすがにメカファイトは迫力があってテンションも上がるが、映画全体のぎこちなさを救うようなものではない。

 そもそもB級のシナリオとビジュアルに不釣り合いなシリアス路線の演出タッチ、ダイジェストのような唐突な編集にバツの悪いユーモア、スター性&フレッシュさ皆無の主役5人による化学反応ゼロの掛け合いなど、本来なら粗探しをするようなタイプの作品ではないと思いつつも、とてもじゃないがまともな大人の鑑賞には耐えられない仕上がりだ。

 チグハグな作風の中で、エリザベス・バンクスの悪役っぷりはアッパレ。ギャグ同然の退場場面も含め、よくぞまあここまで振り切ったもの。物語の上では主役5人に敗れたが、演技では完全に5人を食った格好だ。

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パワーレンジャーのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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