映画『NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』レビュー

お手軽ティーン映画かと思いきや、意外な快作

 挑戦者に様々なミッションを課し、その過激さを競う参加型オンラインゲームの闇を描いた作品。よくあるティーンエイジャー向けのお手軽ムービーかと思いきや、意外としっかりした出来で驚いた。

 ゲームの参加者はより多くの視聴者数を獲得するため、どんどん過激なチャレンジに挑んでいく。下着姿でデパートを駆け回ったり、目隠しをした状態でバイクを運転したり、高層階に架けられた梯子を渡ったり。周囲を巻き込んだ挑戦はもはや迷惑行為の域に達している。

 ところがそんな品の無い行為を若者たちは金と自尊心のために演じ、視聴者もさらに煽っていく。この構図はまさに視聴者数欲しさに迷惑を顧みない過激動画を投稿し、それにまたユーザーが過剰に反応する近年のYouTuberを連想させる。間際無くエスカレートしていくネットの危険性が意識され、単なるスリルジャンキーの若者の暴走劇ではなく、きちんと警鐘を鳴らしているのは重要だ。

 見る見るうちに視聴者数を逆転されて嫉妬したり、それまで黙って受け入れて来た仲間内のカーストが崩壊したり、若者特有の繊細な人間関係もサスペンスを盛り上げる要素として一役買っている。ご都合主義な結末こそ少し拍子抜けな感はあるものの、良い意味で観る前の予想を裏切ってくれる快作だ。

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NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲームのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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