映画『ラスト・ウィッチ・ハンター』レビュー

VFXはなかなかの迫力だが、B級の殻は破れず。

 中世から続く人間と魔女の戦いは協定によりひとまず落ち着きを取り戻したが、女王の復活を目論む悪の勢力は水面下でくすぶり続けていた。不老不死の呪いをかけられ現代まで生き続ける魔女ハンターのコールダーは、不穏な動きを嗅ぎ付けその裏に潜む巨大な陰謀に立ち向かっていく。

 虫の大群に邪悪なモンスター、醜悪な魔女と彼女が放つ不思議な力。この手のダークファンタジーにはありがちな既視感満載の描写が少なくないが、9,000万ドルと意外に高額な製作費がかけられた本作のVFXはなかなかの迫力。ストーリーも設定もあり来たりではあるが、「アンダーワールド」のような成功例も存在するわけで、人気シリーズへの発展を夢見た一縷の望みは節々に感じられる。

 不死ゆえの苦しみを抱えた主人公の葛藤に着目するなどドラマ面への気配りもあり、この手の映画としては丁寧に作られている印象だ。ただ、魔女狩りという設定の割には大半を占めるのは退屈な捜査で、肝心のハンティングがちょこっとしか無いのは残念。筋肉自慢のヴィン・ディーゼルを主人公に起用したことで、B級アクションとしての印象が強調されてしまった感も否めない。「コンスタンティン」のキアヌ・リーヴスのようにもっと線が細くて影のある役者が起用されていれば、より引き締まった雰囲気になったかもしれない。

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ラスト・ウィッチ・ハンターのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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