映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』レビュー

最強ミックスVol.2

マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)の中でも特大のヒット作となった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編を、ジェームズ・ガン監督はかなりの自由度で撮っている事が伺える。MCU作品ではかならず盛り込まれる他作品とのリンクはほぼ皆無。この次作を気にした“つなぎ”作業にジョン・ファヴローも、ジョス・ウェドンもどれだけ泣かされたことか。
ガンは夏のブロックバスターとしては極めて異例な事に、アクションやスペクタクルよりも主人公ピーターと父親の絆、そしてガーディアンズの離散と結束という人情劇にかなりの時間を割いている。近年、TVドラマが映画と遜色ない予算規模でスペクタクルとドラマを両立させているが、この感触に近いペース配分だ。明確な敵が登場しないためか、前作の『スター・ウォーズ』ロスを埋めてくれたようなスペースオペラ感は弱冠、薄められてしまっている。

普通ならば中ダルみしかねない試みだが、前作以上に快調なガーディアンズのキャストアンサンブルによって、この綱渡りはギリギリ成功している。中でもデイヴ・バウティスタが達者になっている事に驚いた。今回、彼演じるドラックスに笑わせられた場面がどんなに多かった事か。ポム・クレメンティーフ演じるファニーなマンティスとの組み合わせは今年最高のスクリーンカップルだ。

そして驚くことに本作はマイケル・ルーカー押しである。
誰かって?
ジェームズ・ガン監督の全作に出演してきたこの強面俳優は全身ブルーの宇宙人ヨンドゥ役であらゆる場面をさらい、最後には観客の涙を搾り取る。『ナイトライダー』⇒『クリフハンガー』⇒キャット・スティーブンス『父と子』のスーパーコンボは泣くしかないだろ!いや、この映画を世界で一番喜んでいるのはデビッド・ハッセルホフか。わかる奴だけわかればいい。さぁ、ガーディアンズ、次回はいよいよアベンジャーズと合流だ。

8
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックスのポスター
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長内那由多のプロフィール画像

長内那由多

タマネギ畑が広がる北海道のド田舎で多感な思春期を過ごす。中学2年生で「恋人までのディスタンス」のジュリー・デルピーに恋をする⇒メインの更新は本館ブログへ移行しました。こちらでは劇場公開作についてたまにアップします。

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