映画『哭声 コクソン』レビュー

史上最恐、出口の見えない恐怖体験

 韓国のとある村で一家惨殺事件が連続して発生する。韓国映画と言えば、暴力的な猟奇殺人を描くのはお手の物。本作も血塗れの光景の先に人間の狂気が暴かれるのかと思いきや、物語は思いもよらぬ方向へ二転三転し、観る者の想像を遥かに超える恐怖を突きつける。

 とにかく「怖い」、この一言に尽きる。ネタバレ厳禁なので詳しい展開には触れないが、ありきたりなサスペンスから一線を画した構成は物語の着地点が一切予測不可能で、事件の捜査を通して得体の知れない真相へと向かっていく主人公の恐怖を、観客は120%のシンクロ状態で追体験することになる。

 生理的な嫌悪感すら覚えるショッキングなビジュアルと、「正体が分からないからこそ怖い」というホラーの鉄則を抑え、一切の演出的妥協や手加減を許さない2時間36分。「スペル」や「死霊館」、「イット・フォローズ」に「ドント・ブリーズ」など、近年高評価を獲得したホラー映画も少なくないが、それらが子供騙しに思えてしまうほど本作の粘着質な作りは圧倒的だ。

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哭声 コクソンのポスター
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奥 直人

映画暦15年。思いのままをレビューにぶつけていきます。

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